先日、港区南麻布にて建築していた木造軸組工法(在来工法)二階建ての物件が、無事竣工いたしました。
この物件は古くからあるお寺(江戸時代初期に創建されたそうです)の敷地に建てさせていただきました。
なので、建築家の方もなるべく周りの雰囲気との調和を考えられて、設計されたそうです。但し建設予定地には港区の保存樹にも指定されている大きな松の木がすぐ近くにそびえ立っています。当然、松の根が地下に生え渡っています。更には古くからある土地なので、地下にどんな水道管やらガス管やらが通っているのかはっきりとわからないという状況。基礎を作る際に根切りと言って地面を掘りますが、その作業は手探りで進めながら慎重に行い、なんとか収めることが出来ました。その苦労の結果が、下記にご紹介する外観写真です。
左下に見えるのがお寺の入り口で、正面に見えるのが今回新築させていただいた建物です。周りにうまく溶け込んでいて、また、松の木もうまく取り込めたのではないでしょうか。
またこの外観写真で見える桟木の廃材を使い、こちらのお施主様のK様がデザイン:奥様、製作:ご主人様で、立派なベンチを製作されたとのこと。
すばらしい腕前に、ただただ驚くばかりでした。
中に入ると、木の素材感が生かされた心地よい空間が広がっています。
そして玄関に入ってすぐの階段の上からは優しい光が降り注ぎます。この優しい光加減がとてもいい雰囲気でした。
そして階段を上ると、これまた自然光をうまく取り入れた、木のぬくもりも優しい感じのLDKになります。
天窓から降り注ぐ光が心地よく感じられました。
また、いたるところに収納が用意されていました。
こういった収納や、ちょっとしたスペースを使った収納など、建築家の方の工夫が感じられます。
このような感じで、外観から始まり中に入っても、過分に主張することなく、しかしどことなく懐かしくて、心地よい空気が全体的に流れている家です。
こういった家になったのも、建築家の方のアイディアもそうですが、何よりお施主様のお人柄が反映されているように思えます。こういった仕事に携わらせていただいて、工事関係者一同感謝に堪えません。
そう感じた、お引き渡しでした。